NEW TRAVEL, NEW NORMAL.

九州・秋の観光情報

秋の定番・紅葉狩り 旅を知るプロに聞きました

秋の定番・紅葉狩り

やっぱり現地で感じたい絶景ぞろい

 この秋は現地で季節の移ろいを感じませんか。木々の香りに癒やされ、秋風に吹かれながらの紅葉狩り。色づく木々が織りなす九州各地の絶景が待っています。

自然の彩りを見ていると心が落ち着くね

「溪石園」には3万本の樹木や岩

耶馬渓(大分県中津市)

 山国川とその支流に広がる耶馬渓一帯は、奇岩とともに、九州指折りの紅葉の名所。「猿飛千壺峡」「一目八景」「ひさしもみじ」「御霊もみじ」「青の洞門」など、絶景ポイントが点在しています。人気が高まっているのは「溪石園(けいせきえん)」。耶馬渓ダム完成記念に造られ、約2万平方メートルの敷地に3万本以上の樹木や岩、ダムの水などを利用して耶馬渓の風景を再現した日本庭園です。見頃は例年11月上旬~中旬。

中津耶馬渓観光協会
0979-23-4511
彩られた奇岩の妙

〝九州のグランドキャニオン〟

蘇陽峡(熊本県山都町)

 五ケ瀬川の上流にある高さ約200メートルの絶壁が約10キロにわたって続くことから「九州のグランドキャニオン」とも呼ばれる蘇陽峡。秋が深まるにつれ、全国的にも珍しい雄大なU字谷渓谷を紅葉が彩ります。長崎鼻展望台から見下ろす渓谷の景色は圧巻。山都町には他にも紅葉の名所があります。渓流釣りのスポットとして知られる緑仙峡で、クヌギやブナなど広葉樹の原生林が広がっています。見頃は例年11月頃。

山都町山の都創造課
0967-72-1158
絶壁を覆う木々

11月は園内の風遊山荘を公開

環境芸術の森(佐賀県唐津市)

 造園家の鶴田正明氏が40年近い年月をかけ、唐津市厳木町の作礼山中腹にある私有林に開設。園内には100年以上前に建てられた旧家の廃材を使った「風遊山荘」があり、11月1日(日)から30日(月)まで公開されます。建屋内に置かれた漆塗りの机の表面にモミジやカエデといった紅葉が逆さに映り込む様子は、「インスタ映えスポット」と話題に。入園料は大人700円、小中学生300円。

環境芸術の森
0955-63-2433
逆さ紅葉美も2倍
写真提供:佐賀県観光連盟

紅葉のじゅうたんが古刹(こさつ)を彩る

雷山千如寺大悲王院(福岡県糸島市)

 糸島市雷山にある178年開創と伝わる真言宗の寺。前庭には、樹齢400年といわれる大楓(かえで)があり、参拝者を迎えます。盛りの時季だけでなく、散りかけの頃も、じゅうたんを敷いたように見えて、風情があります。室町時代に作庭された心字庭園にもモミジが。11月は入山料100円(中学生以下無料)が必要。拝観料は400円(同)。

雷山千如寺大悲王院
092-323-3547
樹齢400年の大楓

色づく約120種類の紅葉植物

仁田峠(長崎県雲仙市)

 仁田峠から標高1333メートルの妙見岳を結ぶ「雲仙ロープウェイ」に乗ると、「普賢岳紅葉樹林」が眼下に広がります。紅葉植物は、約120種類。雲仙ロープウェイの料金は中学生以上往復1290円、小学生以下6歳以上同650円。10月24日(土)から11月2日(月)までは、これまで立ち入ることが許されなかった神聖な雲仙へ誘うバスツアー「雲仙仁田峠プレミアムナイト」を開催(大人2500円、小学生1500円)。

雲仙温泉観光協会
0957-73-3434
上空から見る眺望

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、施設の開館時間が変更になる場合があります。
お出掛けの際は、電話やホームページでご確認ください。

旅を知るプロに聞きました

観光地巡りから、体験型へ。
ワンモアステイで九州の旅を深めよう!

 Go Toトラベルでどこへ行こうかと迷っている人も多いのでは。九州の観光振興に取り組む「一般社団法人 九州観光推進機構」の石原進会長に、これから旅立とうとしている人にアドバイスをしていただきました。

オータン
九州ならではの旅の良さは?
石原会長
 雄大な自然の下、九州には、長い時を経て独自の文化と歴史が育まれてきました。世界自然遺産の「屋久島」、世界文化遺産の「明治日本の産業革命遺産」、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」、そしてコロナ禍の影響で延期されたものの「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」も自然遺産に登録予定で、5つの世界遺産を擁することになります。
 さらに見逃せないのが別府や由布院、指宿、黒川といった豊富な温泉群。また、「新鮮でおいしい食材」と「温かいおもてなし」も決して他の地域に引けを取りません。まさしく旅の魅力にあふれ、自信を持ってお薦めできるのが九州なのです。
オータン
ウィズコロナで旅はどう変わっていきますか?
石原会長
 「都会志向から自然・安全志向へ」と旅が変わってくるでしょう。だからこそ、観光地としての九州がさらに注目されるものと期待します。雄大な自然が待ち受けている九州を旅して、温泉に浸る。温泉は免疫力を向上させるといわれていますから、旅行者には大変、魅力的に映るのではないでしょうか。
 九州の観光関係者一同、この魅力がさらに高まるよう自然素材に磨きをかけるとともに、観光施設の感染症安全対策をより徹底させています。体調管理に検温、マスクなど一人一人が注意を払い、そして密にならないよう互いに配慮しながら旅を楽しんでいただきたいものです。
オータン
秋の九州、石原さんの思い出の観光地は?
石原会長
 私は山が好きなんです。日本アルプスはじめ素晴らしい山が各地にありますが、行くのが大変。ところが九州の山は手軽に絶景が楽しめる。久住へは牧ノ戸峠から2時間半もあれば登れますし、雲仙も仁田峠まで車で行ける。阿蘇はドライブでも登山でも絶景を満喫できます。山の仲間たちと、しょっちゅう出掛けています。
 春はミヤマキリシマ、秋は紅葉。九州の山では、比較的長い期間、紅葉狩りが楽しめます。「月に35日雨が降る」といわれる屋久島で最も晴天が多いのが11月。登山にも観光にも狙い目です。
 山は絶対、密になりませんし、どこに行っても温泉が待っています。登山の後には温泉で汗を流す。これまた最高ですね。
オータン
コロナの心配もありますが、前向きに旅行をしたいです。
石原さんおすすめの旅の楽しみ方は?
石原会長
 私たちは、九州での旅に「ワンモアステイ」を提案しています。「もう1泊」して、旅をより深く楽しんでいただくために、アドベンチャーツーリズムやオルレ、サイクルツーリズムなど「体験型メニュー」を推進しているところ。また、旅館でゆっくり…もよいけれど、夜の観光地をさらに楽しんでいただこうという取り組みも各地で始まっています。星野村の星空ウォッチ、阿蘇のナイトハイク、雲仙の地獄のナイトツアー、雲仙仁田峠の星空観察ツアーなどなど。従来の観光地巡りから一歩進んで、滞在・体験を通して地域の人々とふれあい、九州ならではの自然を夜まで楽しむ。そんな新しいスタイルで、魅力はより深まると思います。九州の秋、存分にお楽しみください。

教えてくれたのは

一般社団法人 九州観光推進機構
石原 進 会長
石原会長

聞いたのは

キャラクターの
オータン
石原会長は、JR九州の社長、会長などを務められました。九州の隅々についてよくご存じで、各地の魅力を熟知した方なのです。