少しずつ日常が戻りつつある中、夏の旅に夜景やライトアップなど「夜の光景観」観賞の楽しみを加えてみませんか。今年3月、福岡県北九州市が「日本新三大夜景都市」の全国1位に認定されて話題になりました。長崎市は世界新三大夜景にも認定されています。
夜景やライトアップ。
多彩な光景観を味わう

今号の凡例
- 世界新三大夜景
- 夜景観光コンベンション・ビューロー(日本・代表理事丸々もとお氏)の会員「夜景観光士」(現在約6000人)が2012年に審査・投票して選出。2021年に再認定。
- 日本新三大夜景
- 夜景観光コンベンション・ビューローの会員「夜景観光士」が審査・投票し2015年に初選出。2022年は第3回。
- 日本夜景遺産
- 夜景観光コンベンション・ビューロー内の日本夜景遺産事務局が2004年に101カ所を選定。追加、解除を含め2021年は約260カ所を選定。
- 夜景100選
- 新日本三大夜景・夜景100選事務局が公募・審査し2004年に選定した夜景の名所。
どんな景色が広がっているのか、どう満喫するといいのか、北九州市観光案内ボランティアで夜景ナビゲーターの木付まゆみさんに話を聞きました。

北九州市観光案内ボランティア
顧問 木付まゆみさん
顧問 木付まゆみさん
北九州市観光案内ボランティア1期生でガイド歴30年。夜景評論家の丸々もとお氏の研修を受け、夜景ナビゲーターとしても活動

- ―夜景の魅力とは? 楽しみ方のポイントを。
- 同じ場所でも季節、気候、時間、風などによって見え方が違うのが大きな魅力。私は夕暮れから真っ暗になるまでに表情が変化していく街の姿が美しいと感じます。
- ―北九州市が「日本新三大夜景都市」に再選出されました。北九州市の夜景が多くの夜景ファンに支持されている理由はどこにあると思いますか。
- 物作りの街を象徴する「工場夜景」が洞海湾沿いに続く姿が圧巻ですし、そのほかバラエティー豊かな7カ所が日本夜景遺産に認定されていて、多彩な夜景を楽しむことができます。若戸大橋、門司港駅、小倉城といった歴史的建造物のライトアップなど、光の景観創出が多彩な点も愛されてる理由だと思います。
- ―木付さんがおすすめするポイントや時間帯などがありますか。
- 若戸大橋のライトアップが美しく見える高塔山公園が好きです。完全に日が沈んでからの方が、ライトアップが映えてきれいですね。
- ―「北九州夜景観賞定期クルーズ」も人気とか。
- この地ならではの工場夜景が満喫できるので特に県外の方に人気が高いです。私もガイドで乗船することもあります。若戸大橋の下をくぐるときに、橋を見上げて目にするライトアップも見応えがあるんですよ。ぜひ体験してみてください。
夜だから気を付けたい
マナーとスマホ撮影

虫さされや足元に注意
美しい夜景はじっくり楽しみたいものの、展望スポットは山頂などが多く、気を付けたい点があります。北九州市観光案内ボランティアで夜景ナビゲーターの木付まゆみさんがアドバイス。

- トイレは済ませてから
- 山頂などはトイレの設置がなかったり、夜間照明が整備されていない所もあったりするので、トイレは行く前に済ませておきましょう。
- 虫よけ対策を万全に
- 自然豊かな場所には虫などの生き物がたくさん。特に夏場はやぶ蚊が大量に発生します。マダニがいる場合もあるので、腕や脚など肌の露出を避け、虫よけスプレーなどでガードを。
- 足元をチェックして
- 展望スポットによっては照明が整備されていない場所もあります。特に階段や通路などは、足元をよく見て移動を。
- 羽織る物を用意して
- 夜は日中との気温差があり、山頂では風が強く吹いたりすることもあるので、ウインドブレーカーなど羽織る物を1枚持っていくと安心です。
- 駐車マナーに留意
- 駐車場が整備されていない展望スポットに行く際は、駐車してもよいスペースかどうかの確認を。民家が近くにある場合は、大きな音や話し声に注意して。

大事なのは天気や構図
美しい夜景をスマートフォンできれいに残したい。西日本新聞社元写真部長の納富猛が夜景撮影のポイントを指南!

- 夜景撮影は天気次第
- もや、かすみがあると全体的にぼやけてしまうので、晴れの日や雨上がりなど空気の澄んだタイミングを狙いましょう。
- 画面は水平に
- 夜景に見とれてスマホを水平に保つのがおろそかになりがち。画面を傾け過ぎると見た目の安定感がなくなるので注意しましょう。
- 大事なのは構図
- 夜景がメインですが、アップにし過ぎると味気ない印象に。画面に1~2割ほど空を入れるか、背景に山があれば稜線を配置すると、奥行きや立体感が出てきます。
- スマホは固定させて
- 日中よりもシャッタースピードが遅くなるため、タップする際にスマホが動いてしまうことも。手ぶれしないように、脇を締めて両手でスマホをしっかり持つか、肘を手すりなどに乗せて固定させましょう。スマホ用三脚を使うのもおすすめ。
- 処理中は動かさずに
- 夜景モードではタップした後に“処理中”などの表示が続くことも。そのときは表示が消えるまでスマホを動かさないようにしましょう。