グッズをそろえて、さあ山へ!
最適な道具選びで、安全で快適な山歩きへ。
最適な道具選びで、安全で快適な山歩きへ。
九州の山々を巡り、撮影した写真をSNSにアップしている大久保紫織さん。美しい景色と伸び伸び過ごす姿を通して山の魅力を発信し、インスタグラムのフォロワーは1万4000人を超えます。出会いを大事に歩くという大久保さんに、好きな山や登山の楽しみなどを聞きました。
◎登山アドバイスは全て監修・平野泰祐さん (日本山岳ガイド協会認定登山ガイド)
山に登る前に登山届(登山計画書)を提出しましょう。万が一、山岳遭難が発生した場合に捜索救助の大切な情報になります。警察や登山口のポストに提出する他、登山計画作成・提出システム「コンパス」を利用すれば、インターネットで簡単に、全国のどの山域でも登山届を提出できます。
コンパス▶︎ https://www.mt-compass.com
ウエアは汗冷えを防ぐために、綿ではなく、速乾性の高い化繊を選びましょう。下着も同様です。初心者は登り始め10~20分の所で、その後は約1時間おきくらいに衣服で体温を調整するといいです。靴は防水性があり、足底の溝が深いものを。しばらく履いてない登山靴は経年劣化が進んでいる場合があるので、使用前によくチェックしてください。
ストック(トレッキングポール)は、基本的に2本使います。両手で持つことで足にかかる負担が分散され、膝の故障などを防ぎます。雨や風をしのぐ防寒着、レインウエアや低い山ならポンチョも忘れずに。たとえ低山でも、緊急時に備えてヘッドライトや遭難時に体温を維持できるエマージェンシーシートもリュックサックに入れておきましょう。
登山中は、小まめなカロリー補給が鉄則。チョコレートやあめ、ナッツ類、栄養調整食品などの行動食を休憩のたびに食べましょう。脱水も心配です。行動中の脱水量は体重×行動時間×5ミリリットルで割り出せます。体重50キロの人が4時間行動した場合は1000ミリリットル。一つの目安として1リットル、暑い時季は2リットルの水を持参することをお勧めします。
事前に登山ルートやコースタイムを調べ、登山にはルートを記した地図を携行しましょう。最近は便利な登山アプリを併用する人も増えています。「YAMAP」は全国の登山地図を確認できる上、電波の届かない場所でも現在地が分かり、遭難や迷子の防止にも。アプリを使用時はオフラインモードにしておくと、バッテリーの節約になります。
九州には、気軽に登れる低山が多くありますが、「低い山だから大丈夫」という油断は危険です。午後3時ごろには下山する計画を立てておくと安心です。情報が多い有名な山と違い、低山は登山道が分かりにくく迷いやすかったり、道が整備されていなかったりすることも。迷った時は「来た道を戻る」「見晴らしの良い上を目指す」を心がけて行動を。